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ニセコ雪森考舎・加藤さんに教わる、木材の選び方・楽しみ方
2025.01.12 | 暮らし生活の様々な物に使用されている木材。現代の私たちの暮らしは、木材なしには成り立ちませんよね?そんな木材の選び方・楽しみ方を森林整備と木材活用の総合ガイドを行っているニセコ雪森考舎(ゆきもりこうしゃ)の加藤さんに教わりました!
森が私たちにくれる恩恵
加藤さん:森と木々は、私たちの暮らしの中で様々な役割を持っています。
森林は、林業の主な生産物である木材だけでなく、きのこや山菜などの食材も採取できる物質生成の場であるんです。空間は、季節毎に桜や紅葉を楽しんだり、キャンプをしたり、アクティビティの場を提供してくれます。
また、樹木が二酸化炭素を吸収し地球温暖化の進行を防いだり、土に根を張ることで土砂災害防止につながるなど、間接的に私たちの住環境を守ってくれています。森は水の流れとも密接に関係しており、森を適正に管理することが、川や海洋環境にも影響をもたらしているんですよね。
このように、森は私たちの暮らしから切り離せない存在なのです。
ニセコの森の特色
全国規模で比較すると、広葉樹割合が高いことと、ニセコの代名詞でもあるパウダースノーによって森は色味豊かで、表情がガラっと変わることが特徴ですね。春夏はグリーンですが、秋の紅葉で赤や黄色に色づき、冬は積雪で白と黒の世界に。美しいですよね。
また、動植物の種類も豊かだと聞きます。広葉樹の割合が高いため、さまざまな樹種が実を成していることや、水が綺麗なことから生物が生息しやすい環境が築かれているのだと思います。この広葉樹が多いこと、寒暖差が激しく厳しい生息環境であることが、実は木材の質にも影響しています。
使い道に合わせた木材の選び方
木でつくられるものは、建築物・家具・食器・紙など様々あります。ただ、いい加減に木を選ぶのではなく、使用目的に合ったものを選びます。
ニセコは木材の種類が豊富なので、硬さ・色味・木目・繊維形状等と性質が異なり使用目的にあったものを選べたり、種類を混ぜてアクセントにすることもできるんです。
また、厳しい環境が影響し、標準より色味が違ったり、強度が強かったりする樹種もあるんです。
木の種類は北海道だけでも約545種といわれているので、ここで紹介できるものは、ほんの一部になります。大きく分けて、針葉樹と広葉樹で特徴を見てみましょう。
針葉樹は、針のように細く尖った葉をつけ、幹が真っ直ぐに伸びるため、柱や梁(はり)などの建築資材として使われることが多いです。また、軽くてやわらかいので、加工がしやすく、家具・インテリア雑貨やおもちゃなどにも使われます。
広葉樹は、広くて平べったい葉をつけます。成長が遅く年輪が詰まっているので、硬く高密度な材質となり家具や内装材に使用されることが多いです。その他、楽器や工芸品にも使われます。
木には収穫に適した「伐期」という目安があり、樹種に合わせて収穫する時期が異なります。
写真の2つの木材は、左手は樹齢約40年の針葉樹・カラマツ。右手は樹齢約50年の広葉樹・シラカバです。
日常で木材は身近な物ですが、このような長い年月を経て使えるようになると思うと貴重な存在ですよね。
北海道といえばシラカバを思い浮かべる方が多いかと思いますが、樹皮は焚き付け材に、樹液は甘味料に、葉は最近サウナのヴィヒタにも使えます。木材は、最近まで積極的に使われていませんでしたが、家具・フローリングなどにも使われる機会が増えています。ニセコ町役場の壁や町民センターのフローリングはシラカバで作られていますよ。
木材を身近に楽しむイベント
現在は教育旅行向けのツアーの他、年1〜2回ツアー・アクティビティサービスの提供やイベントを開催しています。最近では、ウッドマグネットづくりとニセコウッドパークというイベントを開催しました。
【ウッドマグネットづくりワークショップ】
昨年9月にニセコまち主催のイベントで、ウッドマグネットづくりワークショップを行いました。木材にオリジナルデザインをはんだごてで刻んでいき、温もりがあり愛着が湧く作品ができました。子どもたちに大人気のワークショップでした。
【ニセコウッドパーク2024】
10月は、 “五感” で楽しむ木育デー・ニセコウッドパークを開催しました。3年目となる今年は約100名が来場。様々な角度から大人も子どもも木で遊び、木に思いを巡らせる1日です。
森歩きツアー、丸太叩き、アロマスプレー作成、森の味覚弁当等、五感で森を楽しむブースを企画。
木工ブースでは、子どもたちが自分で選んだ木材を夢中になって工作していました。完成した作品を自慢げに見せてくれる子どもたちがとても印象的でした。自分の手と頭を使ってつくるオリジナル作品は、既存のものを買うよりも大きな喜びなのだと実感します。
今後も定期的に木材のイベントは開催予定です。ぜひ、チェックしてみてください。
筆者(上川内):木材に触れ、重さや硬さ、色味を観察する時間は心落ち着くものでした。ぜひ、皆さんも木材に触れて、樹種の違いの面白さやものづくりの楽しさを体験してみてください。そして、美しいニセコの森にも会いに来てくださいね♪
加藤 正紘さん
株式会社ニセコ雪森考舎取締役株式会社
ニセコ雪森考舎WEBサイト:https://niseko-yukimori.co.jp/