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運動公園管理棟の現在のエネルギー性能について(その1)

新事務所改修

こんにちは!㈱ニセコまちです。

運動公園の管理棟を事務所としてお借りすることになりました!
そこで、エネルギー変革のモデルに挑む株式会社ニセコまちとしては、「断熱・気密改修を実施して、どれだけエネルギー消費を抑えて、快適にできるか!?」に挑戦したいと思っています!

今回、検討するにあたって、まず、現在の建物のエネルギー性能を調査しました。

皆さん、知ってますか?
実は、建物のエネルギー性能は数値で表すことができます。今回はこの中で重要な数値を解説しますね。

・Ua値(外皮平均熱貫流率):建物全体を平均した時の表面積1㎡あたりにおいて、室内と外の温度差が1℃だったとしたら、どれだけの熱が逃げるのか、その移動する熱量を表した数値で、これが小さくなればなるほどエネルギー性能が良いというものです。

私たちが設計図面、現地確認から推計したところ、現状の事務所のUa値は、0.81W/㎡・Kになりました。北海道においては最新の新築で「暖かい家」と謳っているものは、おおよそ0.4W/㎡・Kですから、その2倍の熱が外に逃げているような計算になります。SDGs街区において将来のモデルとして私たちが新築しようとしているのは、0.2~0.25W/㎡・Kですから、これらと比較すると(古い建物とは言え)熱が沢山逃げていることが、一目で分かります。それから、壁や屋根よりも「窓」の方が熱が逃げやすいことも覚えておくと良いでしょう。今回対象のこの事務所では、建物に占める窓の面積も大きいことが影響しています。

・c値(隙間相当面積):これは建物において隙間がどのぐらいあるのかを数値化したものです。

隙間が大きいと風通しが良いと言えばポジティブに聞こえますが、常時開いている隙間は、外気温や外の風に影響されて制御出来ないものですから、一般には『漏気』と呼ばれます。お寺や神社など内外の温度差がそれほどない利用の建築では構わないですが、居室を暖房することを前提とすると、隙間が大きくなればなるほど、壁内での結露する可能性が大きくなり、建物の寿命が短くなると言えるでしょう。また、常時漏気していると過換気となり、冬場の乾燥はかなりきつくなります。換気をしたいなら、良いタイミングで自身で窓を開け閉めしたり、換気装置で量をコントロールして換気するようにして、『漏気』は防ぎたいですよね。

この隙間相当面積、もちろん数値が小さい方がいいです。これを正確に測定するには建物を建築した後、建物内を減圧して気密測定を実施しなければならないのですが、今回は設計図面と現地認から2.0cm2/m2と推計しています。
本州での新築では、5.0cm2/m2なんていうのも珍しくないです。北海道の新築で暖かい家を謳っているものは、1.0~1.5cm2/m2ぐらいが一般的でしょう。
この事務所は、建物形状が複雑ではなく、ワンフロアだけであること、窓は引き戸ですが、樹脂サッシの内窓が付いていることなどから、比較的成績の良い数値を推計しています。
SDGs街区において将来のモデルとして私たちが新築しようとしているのは、0.2 cm2/m2ですから、それとの比較ではこの事務所は隙間だらけですが、断熱・気密改修でどこまでこの数値をよくできるのか頑張りますね。

それでは、また次回に続きます!

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